当作品を展示するための告知ポスターグラフィックでは、田中一光氏の作品を約1600枚を色解析した。 頻出度の高さによって使用色を左から順に配置している。その数実に299色。 そしてタイポグラフィに用いたのは、田中氏が「絶対に使わなかった」色を利用し、死角を表現。 利用した書体は一光氏が開発した光朝体。印刷した紙も一光氏の開発したミセスBを採用した。
グラフィックデザインは、配色によって複雑な意味を作り上げていく。 色における「絶対音感」を持つと言われる田中一光氏をはじめ、 日本を代表する4名のデザイナーの配色の解析を行い、グラフィックデザインにおいて、 これまではっきりと言語化されていなかった配色パターンを導き出し、【配色】を視覚化する。
デザイナーごとの配色を解析することで、代表的な色使いと色の組み合わせを抽出
作家ごとの代表的な色の組み合わせ10 色をその利用頻度に合わせて画面を分割し配色したポスター。 色の比率などから作家別の特徴が浮かび上がる。
鑑賞者は、面分割や言語といった造形要素によりグラフィックデザインからメッセージを受け取る。 造形要素全体の顕著性や文字組を解析することにより、これまで気づかれにくかった構成パターンを導き出す。
デザイナーごとの構成を解析することで、デザイナーの個性を浮かび上がらせる試み
作家ごとの顕著性の上にグリッドのルールを設計し、ポスターの文字組を配置することで作家別のレイアウトの特徴を浮かび上がらせる。
グラフィックデザインが知覚に訴える美しさや心地良さは、数値化された情報だけでは成立し得ない。 【配色】、【構成】においてそれぞれ解析されたデータを元に、鑑賞者に感じ取ってもらえるものがあるよう、感性を表現する。